西野源『死の島ガダルカナル』(鱒書房)★★★★☆ | 灰色の脳細胞:JAZZよりほかに聴くものもなし

西野源『死の島ガダルカナル』(鱒書房)★★★★☆

 

 

かつて鱒書房から上梓されていた従軍秘録シリーズのなかでも資料的価値が高く、古書相場もなかなかの一冊。

 

よく考えればあたりまえなんだが、ガダルカナルにも従軍記者はいたわけで、そんなひとの書籍をいままで目にしたことがなかったが、本書こそがずばり、新聞記者によるガダルカナル従軍記である。

 

作者は一木支隊全滅後の川口支隊と行動を共にし、そのとき目の当たりにした銃火と飢えに苦しむ兵士たちの姿を描く。

 

その点で、数多のガダルカナル戦記のなかでも第三者的な立場から描いた興味深い一編といえる。

 

また戦後に現れた最初期のガダルカナル戦記であり、希少な従軍記者によるものとして今でも貴重。

 

ただし元版のみで復刻はなく、読もうと思うと意外に難しい。惜しいことだ。

それにしても、カバーが思い切り作者名を間違えているのがすごい。

 

※西野「満」と書かれている。

 

★★★★☆

 

そういえば、鱒書房がいまでも名を変えて存続しているということを、たったいま知ったよ。なんだよ、インテルフィンって・・・