200ページの本で15ページも引用が続くってすごいなあ:M・ケイディン『零戦』 | 灰色の脳細胞:JAZZよりほかに聴くものもなし

200ページの本で15ページも引用が続くってすごいなあ:M・ケイディン『零戦』



マーチン・ケイディン, 加登川 幸太郎
零戦』(第二次世界大戦文庫)

カバー背の赤さが古書店にて強烈に目を引いた「第二次世界大戦ブックス」の文庫版。このシリーズ、巻ごとに作者が異なるのだから当たり前なのだが、あたりはずれがそこそこある。

本書の作者マーチン・ケイディンは、SF作家でありノンフィクション作家、それに『インディ・ジョーンズ』など映画のノベライゼーションまでこなす器用な人物である。本書も坂井三郎と堀越二郎の言葉を織り交ぜ、零戦の実に大まかな歴史を無難に描く一編なんだが、いくらなんでも引用が多すぎ。15ページも引用が続く本なんて錚々お目にかかれないぞ。

しかも時系列が特になく、適当に開発経緯やエピソードを羅列するだけといえる。零戦について読みたいのならば、いくらでもほかに書籍はある。本書を読む必要はない。

★★☆☆☆